健康寿命を短くする主犯の一つとされるロコモ。ロコモとは「ロコモティブシンドローム」の略で、歩く、立つなどの基本的な動作に支障が出ることです。
日本には、ロコモ予備軍の人が、推定4700万人くらいいるとされます。国民の3人に1人はロコモ予備軍だということです。しかも、シニア世代だけでなく、若者や子供にも予備軍が広がっているといいます。
ロコモ対策の一つとして見逃せないのが、転倒の防止です。転倒して足腰を傷めると、日常の運動量がぐんと減ります。すると、筋力がみるみるうちに低下し、歩行などの動きが困難になっていくのです。これが悪化すると、寝たきりの状態になりかねません。
転倒防止には、住環境の整備なども重要ですが、キーポイントになるのは、体幹の強化です。
シニア層がよく道路や家の中などで転倒してしまうのは、体幹の筋肉が弱っていることと関係しています。本来、私たちは体のバランスが崩れたときに体幹でバランスを回復させます。それが間に合わない時は足を出したり手を出したりして転ばないようにしますが、このときも、やはり体幹の力が必要です。
体幹を強化するには、ピラティスなどの特別なトレーニングをするのも結構ですが、ふだんから意識して使うことも重要です。歩くときも、座っているときも、体幹の内側の筋肉(インナーマッスル)を働かせて、姿勢をすっと立たせるのです。へそヒーリングでお腹を刺激して、体幹への意識を目覚めさせることが、その第一歩になります。